前回の続きで、去年のマイベストブック・comic版と、その他5冊を選びました。
<comic>全10冊
これはすごい作品だと、読んでのけぞりました。
ええもう、エビ反りするほどに。
宗教の祖、イエスとブッダを、ここまでコミカルにデフォルメしてみせた作者の勇気と決意に脱帽です。
客観性の粋。マニアックな知識欲を存分に満たしてくれます。
今読んでも十分みずみずしく、世界に引き込まれるSFの名作。
夢、憧れ、孤独、挑戦、挫折など、王道的なエッセンスが凝縮されています。
3次元的な世界を無理なく表現するデッサン力と物語の構成力は、さすが少女マンガ界の女王の風格。
読むのにかなり覚悟がいりました。想像以上の衝撃でした。
救いのない袋小路でもがく主人公達。
人の� ��さの連鎖が引き起こす悲劇に、愕然とします。
つらい息苦しい思いをしながらも、強い磁力に引かれるように、最後まで夢中で読みました。
人の心の奥底を、よくぞここまで表現したものと、圧倒されるばかりです。
どの作品を読んでも、時代を超える色あせない魅力を感じます。
実話をベースにした、著者と飼い猫との生活。
大島氏のネコの溺愛っぷりは相当です。
かっこつけず、とりつくろわずに、猫たちへの思いを誠実に伝えようとしている作者の気持ちがまっすぐ伝わってきます。
とぼけた風味の猫たちのかわいらしさが強烈。
『BECK』を楽しく読んだ後、ミステリアスなこちらの作品の続きが気になっています。
タイトルにひきつけられていますが、まだシェイクスピアは1人しか出ていません。
原案者がいるかのような重厚なストーリーが、今後展開されそうな予感。
上質なメイド漫画の『エマ』の作者。
シャーリーもメイドですが、私はこちらの方が好きです。
少女エマがメイド業にひたむきに取り組む日々。
妙齢の女主人との、親子とも姉妹ともいえるような心の交流。
ストイックな静かな美しさに満ちています。
今年、フジモト氏の作品を気に入って、『ダンスがすんだ』ほか何冊も読みました。
中でもお気に入りの、くまの親子の物語。
真面目なパパにのどかなママ、わんぱくなガドガド。
どのような重要なのは心です。
どこかピングーを思わせる、さりげなくコミカルな風味がいいです。
しろくまがカフェ経営をし、パンダとペンギンが常連客。
登場するのはほとんど動物、それに数名の人間。
動物達はみんなキュート。喋らなければ、ですが。
シュールな世界で繰り広げられる動物達のギャグに、ほのぼのします。
『残酷な神〜』とは違う意味で、バズーカ砲レベルの衝撃を受けた作品。
えんぴつ描きの温かみあるへたうま絵。
充満する昭和風の古臭さの中で、シュールに話が展開するアンバランスさ。
中毒になりそう。いえ、もうなっています。
作者の『僕とポーク』も、余韻の残るいい作品です。
やさぐれている可愛げのないパンダと無愛想な作者の、掛け合いコマ漫画。
じわじわとしたおもしろさで、シリーズ全部読みました。
アニメ化も難しそうなのに、堺雅人主演で実写映像化されています。
どうなっているのか、まるで予想できません。
リストに挙げてみて、私は動物ものに弱いんだなあと実感しました。
とくに去年は、ネコ関係のコミックをたくさん読んだ年でした。
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兄の意義は、あなたがダイムを割くことができる
<その他>全5冊
縄文時代の現代の東京の地理比較。
地図から浮かび上がる古代のロマン。
もともと読書会で薦められた本。私も夢中になって、いろいろな場で推薦しました。
ピンホール写真の魔法のような美しさ。
さらなる幻想的な都市となって輝くパリ。
書評家2人の、歯に衣着せぬ名作のぶった切り。
どのコメントも、的を得ていて痛快。
『銀河英雄伝説』の人気作家が、どんな本を読んできたのか。
古今東西の冒険小説のオンパレード。
言いまつがいなど、抱腹絶倒の投稿集。
笑いは日常に潜んでいると証明してくれる、強力ツール。
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今年は、読書会に参加して、ほかの人のお勧め本を読んでみたことで、自分の偏った読書傾向が少し緩和されました。
また、書店に平積みされている話題本をほぼ網羅できた年でした。
苦手で敬遠していたミステリーに挑戦して、そのおもしろさがわかってきたのは、自分にとって大きな一歩でした。
伊坂幸太郎作品を全部読みたいと、今も奮闘中です。
ああ、本のおかげで、とっても実り豊かな一年でした。
ただ、はまりすぎて、周りの人たちとのお付き合いが減っていたような気も・・・。
ちょっと去年は、一人脳内トリップしすぎてしまいました。
今年は、イン・アウトどちらも、バランスよくいきたいと思いまーす。
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