このPVは、ニュージーランド出身のポップ・CCM系シンガーソングライターのブルック・フレーザー(Brooke Fraser、結婚後Brooke Gabrielle Ligertwood、1983年12月15日生まれ)の2ndスタジオ・アルバム『Albertine』(2006.12)からの2ndシングル曲『Shadowfeet』(2007.3)のビデオクリップ。
この曲が収録されているアルバム『Albertine』はニュージーランドアルバムチャートで初登場第1位を記録、トータル20週トップ10入りを果たし、プラチナ(×4)ステータスを獲得、前作に引き続きニュージーランドでは大ヒットとなったようです。また『Albertine』は米デビューアルバムでもあり、この曲がアメリカデビュー1stシングル曲。このアルバムは米ビルボード総合アルバムランキング「Billboard 200」では90位、クリスチャンアルバム部門では第3位と、外国のCCM系アーティストとしては異例の人気となったようです。
この曲『Shadowfeet』は、やや難解な詩的な歌詞になっていますが、英児童文学小説『ナルニア国物語』の著者として知られる英文学者でキリスト教徒信徒伝道者C.S.ルイス(C. S. Lewis)の著名な短編小説『天国と地獄の離婚~ひとつの夢』(The Great Divorce、1945年)にインスパイアされたとされる楽曲で、美しいピアノを基調に神のもとへの道、死後の世界、死生観を描いた楽曲となっているようです。
Written by Brooke Fraser
(バース1)
足跡の影の上をつまずきながら
まだ一度も見ぬ土地、ホームにむかい歩いていく
私は変化し続け
生まれし日よりもますます目が冴え渡り
私は異なったものから作られている
そして私はそれをずっと感じていた
初めてのアプローチ、その日がやってくることを
(コーラス)
世界が私の足元から崩れ落ちていく時
私はそこに佇むあなたに見出されるだろう
空が包み込まれ、山々が崩れ
時間と空間が交錯したとき
私はあなたに見出されるだろう
(バース2)
頭の中でざわめく
心を乱す声が聞こえる
それは影の方に行くのが楽であると言う
しかし真実の噂を私は今まで聞いてきた
光り輝く道のささやき声を
ビルボード年間トップ100シングル
(コーラス)
世界が私の足元から崩れ落ちていく時
私はそこに佇むあなたに見出されるだろう
空が包み込まれ、山々が崩れ
時間と空間が交錯したとき
私はあなたに見出されるだろう
あなたは全てのものを新しくする
あなたは全てのものを新しくする
あなたは全てのものを新しくする
あなたは全てのものを創造する
(コーラス)
世界が私の足元から崩れ落ちていく時
私はそこに佇むあなたに見出されるだろう
全ての恐れと罪が私の足元に
時間と空間が交錯したとき
私はあなたに見出されるだろう
時間と空間が交錯したとき
私はあなたに見出されるだろう
時間と空間が交錯したとき
私はあなたに見出されるだろう
小説『天国と地獄の離婚~ひとつの夢』
"The Great Divorce" written by C. S. Lewis
この曲のバッググラウンドにある小説『天国と地獄の離婚~ひとつの夢』は、死後の世界をファンタジーに描写し天国と地獄とは何か、その人々の選択、死生観を描いた内容になっており、ウィリアム・ブレイクの『天国と地獄の結婚』へのアンチテーゼとして書き下ろされた作品とのことです。詳しくは日本語訳の本も出版されているとのことですのでご興味のある方はどうぞ!
私は実際に読んだことがないのですが、亡き者がバスに乗ってグレーの地を訪れ、天国か地獄かの選択の中で、天国のある山々に向かう者と、安全で楽な地獄に向かう者が描写されているようです。
ちなみにこの小説は、来年にMpower Pictures及びBeloved Picturesより映画化されることがアナウンスされており、アカデミー受賞映画『ブレイブハート』の製作総指揮をはじめ、映画『ハート・オブ・ウーマン』の製作総指揮、映画『パッション』を製作していることでも知られるスティーヴン・マケヴィティ(Stephen McEveety)が製作を務めるとされているようです。
『Shadowfeet』PV
Music Video "Shadowfeet"
世界の子どもをボランティア・寄付・募金により支援している国際NGO団体ワールド・ビジョンの公式アーティストとしても知られるブルック・フレーザーですが、慈善活動に献身的な彼女は、このアルバム『Albertine』の楽曲を作詞作曲するにあたり、人種間の闘争で歴史的虐殺のあった地として知られるアフリカのルワンダを訪れており、そこで出会ったルワンダの虐殺により孤児となった少女の名前が本アルバムのタイトルとなっています。
サタデー·ナイト·フィーバーの年
この曲『Shadowfeet』のPVでは、ブルック・フレーザーの持っているカメラを通じて道を行き交う様々な人種や文化、年齢の異なる人々が皆この曲を歌っている姿が描写されておりますが、この楽曲の意味と制作背景を併せて考えると、それぞれ人種・文化が異なる人間も全て同じ場所へ向かっている同じ存在であることが表現されているのではないかと思います。あえてカメラのレンズを通じて表現し、エンディングでレンズをこちらに向けてシャッターを切るのは、決してこの動画を観ている人も例外ではないことを訴えたかったのではないでしょうか。
CCMながらPVでは宗教性を全面に出さないところがまた宗教の多様性も表現しているように感じましたが、なかなかこの楽曲もPVもアーティスティックで完成度の高い内容に仕上がっている印象を受けました。
しかしいいカメラ持ってますね!うらやますぃ!
前々回のナルニアのネタの続きで、というわけで投稿したわけではないのですが?!久しぶりにこの曲を聞いて、何かぐっと心深く惹きつける魅力を改めて感じましたが、この温かくも異国情緒漂う独特な歌声は一度はまるとなかなか癖になりますね!
ブルック・フレーザー
Brooke Fraser
ブルック・フレーザー(Brooke Fraser、結婚後Brooke Gabrielle Ligertwood、1983年12月15日生まれ)は、ニュージーランドのウェリントン出身のポップ、CCM(クリスチャン・コンテンポラリー・ミュージック、Contemporary Christian Music)のシンガーソングライター。15歳の時雑誌記者となり2002年雑誌編集者となった彼女ですが、音楽のキャリアを目指すべくオークランドを拠点に2002年より音楽活動を開始。その類稀な音楽性から5つのレーベルからオファーを受け、ソニー・ミュージックとレーベル契約を締結。
1. デビュー・アルバム『What to Do with Daylight』(2003.10)
オーストラリアのバンドを促進するためにどのように?
自身が全て単独で作詞作曲したデビュー・アルバム『What to Do with Daylight』(2003.10)は、初登場第1位を記録し、7度のプラチナセールスを記録する等ニュージーランドで異例の大ヒットを記録。デビュー・アルバムからリリースされた5枚のシングルは全てRIANZ(Recording Industry Association of New Zealand
、ニュージーランドの主要音楽チャート)シングル総合ランキングでトップ20入りを果たし、ニュージーランドの2004年総合アルバムランキングでは見事第1位を記録。
#1. Arithmetic Music Video
#4. Lifeline Music Video
#6. Without You Music Video
2. 2ndアルバム『Albertine』(2006.11)
ブルックがルワンダを訪れた際に出会ったルワンダ虐殺により親を失った少女の名前がタイトルとなっている2ndアルバム『Albertine』(2006.11)は、ニュージーランド主要アルバム総合ランキングで初登場第1位を記録、トータル20週トップ10入りを果たし、4度のプラチナ・セールスを記録。またこの『Albertine』はブルック・フレーザーの米デビューアルバムでもあり、米ビルボード総合アルバムランキング「Billboard 200」では90位、クリスチャンアルバム部門では第3位を記録、米iTunesではエディターズ・チョイスに選ばれるなど、外国のCCM系アーティストとしては異例の人気と高い評価を受けたようです。
#2. Deciphering Me Music Video
どっこかで見たことあるような光景だが?ズームイン!
#5. Albertine Music Video
#6. C.S. Lewis Song Music Video
3. 3rdアルバム『Flags』(2010.10)
そして先月(2010年10月)、3rdスタジオ・アルバム『Flags』をニュージーランド、オーストラリア、アメリカ、イギリスでリリース。ニュージーランド主要アルバム総合ランキングでは第1位、オーストラリア主要アルバム総合ランキングでは第3位、米ビルボード「Billboard 200」では第59位、米ビルボードデジタル配信アルバムランキングでは第14位、フォークアルバム部門では第4位と、その勢いはとまらず批評家らからも非常に高い評価を受け、既に母国ニュージーランドではプラチナ・セールスを記録。現在はニュージーランド、北米、イギリス、オーストラリアのコンサート・ツアー中とのことです。
さらに詳しく知りたい方は以下のサイトをご参考に!
【ブルック・フレーザーSony Music公式サイト】
【ブルック・フレーザーYouTube】
【ブルック・フレーザーMySpace】
ヒルソング・ユニット
Hillsong United
またブルック・フレーザーは、ヒルソング教会の音楽グループ「Hillsong United」の一員としても活躍していますので、そちらもご興味のある方はそちらも併せてどうぞ!
【Hillsong United公式サイト】
教会で歌う曲になりますので、歌詞自体は非常に宗教性の強い楽曲にはなりますが、『Lead me to the Cross』や『Soon』は非常に美しい楽曲で思わず何度も聞き入ってしまいました。『Soon』はとても心に沁みます…。
『Lead me to the Cross』は数々のカバーがされていますが、今年開催されたクリスチャン系最大の音楽祭典Dove賞(41st Annual GMA Dove Awards)で、「最優秀女性アーティスト賞」を受賞し、今最も注目を浴びている実力派歌手フランチェスカ・バッティステリ(Francesca Battistelli)のカバー曲も非常に美しいです。機会がありましたら、フランチェスカ・バッティステリについても特集できればと思っています!
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